前回の大麻関連企業のM&A(合併・買収)ブームでは、投資家は火傷を負った。現在も新たなブームが進行中だが、彼らが心配しているのは、「同じ轍を踏む」ことではない。今年は、米大麻関連企業の買収額が記録を更新する勢いだ。ビリディアン・キャピタル・アドバイザーズによれば、昨年の買収額が約30億ドル(約3295億円)、2019年が約37億ドルだったのに対し、2021年は現在既に55億ドル。9月1日の1日だけでも、テラセンドがミシガン州のゲージ(Gage)を5億4500万ドルで取得するなど、3件の買収が明らかにされている。バージニア、コネティカット、ニューヨーク、ニューメキシコの各州では今年、嗜好用大麻が合法化された。これらの州にまだ進出していない大麻栽培企業は、買収により参入しようとするだろう。大麻栽培企業アセンド・ウェルネス・ホールディングスは今年初め、資金繰りに苦しむ加メドメン・エンタープライゼズのニューヨーク子会社の株式を取得した。メドメンは、この新たに合法化された市場の貴重な営業ライセンスを持っている。その他の買収案件でも、大麻栽培企業が既に大麻事業が行われている州で市場シェアを拡大しようとしていることがわかる。