2001年9月11日の同時多発テロ発生後、米国の金融市場は1週間近くにわたって閉鎖された。24時間取引が可能になった現在の世界では、想像もできないことだ。ここ20年、技術の進歩と米市場のインフラ強化へ向けた広範な取り組みにより、こうした取引停止はまれになった。新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた昨年は、株価急落や記録的な取引量が見られた上、金融街は突如としてリモートワークへ移行したが、株式市場は営業を継続し、基幹システムもほとんど不具合なく稼働した。しかし、投資家や政府関係者の間では、物理的な力ではなく、高度なハッキングツールを使った攻撃によって、金融市場が機能不全に陥る可能性が依然としてあるとの懸念が聞かれる。
9・11から20年、米金融街最大の脅威今どこに
技術の進歩で市場は一変、サイバー攻撃が最大の脅威に
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