しかし、李在明氏が大統領に当選すれば、日米との関係に致命的なダメージを与え、北朝鮮の苦境を救って、核ミサイル開発を容認し、韓国ばかりでなく東アジア、ひいては全世界の脅威となる事態を促進しかねない。

 その李在明氏が与党・民主党の大統領候補指名争いで優勢にある。

 与党の予備選挙の状況と李在明氏の人となり、思想、信条、政策について分析してみたい。

李在明氏が圧勝の要因は
大統領選での競争力

 先述の通り、大統領選に向けた民主党の予備選の初戦が行われた忠清北道、忠清南道で李在明氏が半数を超える大勝を収めた。忠清地域は「全国のバロメーター」とされる地域であり、ここで「党員の心」をつかんだことで、専門家は目立った悪材料が発生しない限り、李在明候補が与党候補の「本命」との評価が固まったという。

 予備選初戦での李在明氏の圧勝は「(大統領選)本選での競争力」が主な勝因に挙げられる。2位となった李洛淵(イ・ナギョン)元首相が独自のビジョンやコンテンツを示せず、ネガティブキャンペーンに終始したことも影響した。

 ハンギョレによれば、「議題と戦略グループ・ザ・モア」のユン・デゴン政治分析室長は「李在明候補の道徳性を信頼するというよりは、『バンドワゴン(勝馬に乗る)効果』と共に、独自性を打ち出せない2位候補に対する失望感が重なった結果」と指摘している。