米テレビ視聴率調査会社ニールセン(本社ニューヨーク)は、何十年間もこの業界の雄として君臨してきた。だが、ストリーミング(動画配信)への移行でニールセンのビジネスモデルは崩壊しつつあり、広告枠の買い手も売り手も、これに代わる手段を模索している。ニールセン・ホールディングスは長年、米国のテレビ視聴率測定の代名詞となってきた。テレビ視聴率で推計される視聴者数は、テレビ局が広告枠を販売するため、そして金額に見合う成果が得られたことを広告主に示すために使われる。だが、ストリーミングが普及し、従来のテレビ放送やケーブルテレビの視聴者が減少するに伴い、ニールセンの地位は揺らいでいる。同社は近年、ストリーミングの測定基準を導入してきたが、この分野では多くのプレーヤーの1社にすぎない。さらに、新型コロナウイルス流行の影響で視聴者数が少なくカウントされていたこともあり、従来のテレビ視聴率測定に対する信頼性は低下している。こうした問題を踏まえ、あるメディア業界団体は先週、同社の全米テレビ視聴率に対する認証を取り消した。
視聴率の米ニールセンに試練、動画配信普及で
従来のテレビ視聴率測定の信頼性が低下している上、ストリーミング視聴者の測定では他社に客を奪われている
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