誰かに未来を予想してもらう必要があるなら、スパイク・フェレステン氏に頼るといいだろう。1997年夏、米コメディードラマ「となりのサインフェルド」の脚本のアイデアを出し合う会議の場で、フェレステン氏は主演俳優で脚本家のジェリー・サインフェルドに対し、大胆にも財布を持つ時代は終わったと告げた。ジェリーは同意しなかった。これは、脚本家たちが自分の財布を開ける「財布対決」に発展。「彼らは、たくさんのゴミを(財布に入れて)毎日、どこへでも持ち歩いていることに徐々に気づき始めた」。同ドラマの脚本家兼プロデューサーでエミー賞にもノミネートされたフェレステン氏はこう筆者に語った。その会議の会話は最終的に米テレビ史上最もアイコン的な小道具へとつながった。ジョージ・コスタンザのパンパンに膨らんだ「爆発」する財布だ。