米連邦準備制度理事会(FRB)が8日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、新型コロナ変異ウイルス「デルタ株」による感染再拡大を受けて、経済回復が夏季に鈍ったとの認識が示された。感染への懸念から、外食や旅行を控える動きが広がったという。また、自動車や住宅販売など、一部のセクターでは供給制約や人手不足も足かせとなったとしている。報告書は「経済活動の減速は、大半の地区で外食や旅行、観光(への需要)が後退したことにおおむね起因しており、デルタ株流行を巡る懸念を反映している」と指摘した。雇用主は引き続き人材確保に苦戦しており、業況の重しとなっている。企業側は賃上げや特別報酬、柔軟な勤務体系などを提供することで対応している。報告書によると、一部の地域では、デルタ株の感染拡大を受けて、職場での勤務再開を延期した。