新型コロナウイルスの感染拡大が米国を襲って以降、失敗に終わった施策は数え切れないほどある。だが、ここにきて非常にうまく行った確証が得られたものがある。経済政策による対応だ。コロナ禍による閉鎖は当初、大恐慌以来の甚大な打撃を経済にもたらした。昨年は雇用と生産の双方が、世界的な金融危機が発生した2008年を超える落ち込みとなった。しかし、その最も包括的な指標から判断して貧困は減少した。米国勢調査局が今週公表したデータがその理由を明らかにしている。賃金や社会保障といった現金収入に基づくと、貧困家計の比率は2019年の10.5%から昨年は11.4%に上昇した。ところが、景気刺激策に基づく現金支給、フードスタンプ(低所得者向けの食料品配給券)、税制優遇措置といった政府支援を含めると、貧困家計の比率はむしろ11.8%から9.1%に低下した。