オースティン・モリーリさん(50)にとって、アマゾンの倉庫で棚に商品を入れる「棚入れ係」として働くことは、肉体的に持続不可能になるほど過酷だったが、見返りはあった。ただ、勤務時間は長く、仕事はきつかった。非営利組織で昼間働きながら入ったアマゾンの夜のシフトは、単純に持続不可能だったが、いずれにしろそこで働くのは夏の間だけのつもりだった。お金や医療保険の即時利用、気分転換を必要としていた。働いたのは6週間だった。ニュージャージー州エジソンにある「LGA9」フルフィルメントセンター(商品の保管・配送拠点)で働いたモリーリさんは、一緒にトレーニングを受けた人の多くが最初の1~2週間で辞めていったものの、「実のところ、あそこではいい経験をした」と話す。しかし、仕事は大変で、高校でスポーツ選手だったときのことを思い出したという。「それは、10時間の極めてつまらない退屈な仕事で、シフト中ほぼ同じ場所に立ちっぱなしだった」とモリーリさんは話す。「それでもシフトの終わりには汗でびっしょりになり、体に痛みを感じていた。あんなに痛みを感じたのは、サッカーを本格的にプレーしていたとき以来だ」