米国の消費者は、新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」にとって手強い敵かもしれない。米商務省が16日公表した8月の米小売売上高は前月比0.7%増となった。7月分の下方修正を踏まえても、0.8%の減少を見込んでいた市場予想をはるかに上回る良好な内容だ。伸びはほぼ全般で見られた。売上高が減少した3項目は自動車ディーラー、電子製品・家電販売店、そしてスポーツ用品店などを含むグループだ。ただ、落ち込みの原因はコロナ感染拡大による消費マインドの冷え込みではなく、サプライチェーン(供給網)の制約によるものだ。デルタ株による爪痕が見られた分野の1つが外食産業で、前月比で横ばいとなった。旅行関連サービスは小売り統計には含まれていないが、民間データによると、航空機チケットやホテル宿泊向けの支出は先月、減少した。