男女雇用機会均等法の施行から35年。いわゆる「第一世代」の女性が、これから続々と「定年」を迎える。アラフィフ・アラカン女性がセカンドキャリアを手にするには、どうしたらいいのか。3人の女性のストーリーを追いながら、理想と現実を見つめてみよう。(Next Story 西村美奈子)
キラキラしたキャリアではないけれど
実直に目の前の仕事に取り組んできた
令和3年のとある日――各界の著名人や“キラキラキャリア”の女性たちが登壇する「女性活躍」と銘打ったセミナーは、“意識高い系”の女性たちであふれていた。コロナ禍でオンラインになっても収容人数制限がない分、より多くの女性たちがキラキラ輝くキャリアを手に入れようと、画面の向こうで真剣な表情で講演者の話に聞き入っている。
海外からの著名人を招いた会では、質問タイムになると多くの優秀な女性たちが、次々と流ちょうな英語で質問を投げかける。そんな光景を目にすると、その勢いに圧倒されて思わずため息が出てくる。こんなに優秀な女性たちがいる日本の将来は明るいだろうな――彼女たちにはぜひ目の前の「キラキラキャリアの先輩女性たち」を目指してほしいと思う。
だが、もうすぐ定年を迎える自分には刺激が強すぎる。長い間、自分もずっと頑張ってきた。でも、目の前の著名人たちのようにキラキラしたキャリアを築けたわけではない。ただ、実直に目の前の仕事に取り組んできただけ……。
男女雇用機会均等法の施行から35年。均等法前後に就職したいわゆる「第一世代」の女性たちが、これから続々と定年を迎える。