自力でチャンスを見つけるしかない
1日でも早く行動し、1ミリでも前へ進もう

 大手企業を部長職で早期退職し、現在、上場企業の社外取締役をしている道野良子さん(56歳、仮名)が社外取締役になれた決め手は何だったのだろうか。

 彼女の場合は特別なケースかもしれない。過去に財務部門の経験もあり、子会社での役員経験があったことも評価されただろう。だが何よりも、退職前から次のステージを模索してきたことが大きかったと思う。ちょうど2年前、筆者の主催するセカンドキャリア研修に参加した頃は「まだ何をやりたいのか具体的なことはわからない」と語っていた。それでも、さまざまな可能性を追求し、自分のやりたい道を見つけていった。

 南場氏や松井氏ほどではないにしろ、役員にまで手が届いた女性には、次のチャンスがある。けれど、そこまで行けなかった女性たちは自力でチャンスを見つけるしかない。多くの名もなき女性たちが、「定年後も働き続けたいが、どうしたらいいか、何ができるかわからない」と言う。

 実際に、その答えを見つけるための行動を起こしている人はまだ少ない。頭で考えているだけでは何も進まない。行動すれば、何かが見えてくる。たとえその道が違っていても、途中で気づくことができる。気づけばそこで軌道修正すればいい。

 答えはすぐには見つからない。だからこそ、1日でも早く行動に移し、1ミリでも前へ進むことが求められるのではないだろうか。