バイデン大統領国連総会でスピーチするバイデン米大統領 Photo:Pool/gettyimages

米英豪で新たな「中国包囲網」
米中「衝突回避」“合意”から5日後

 バイデン米大統領は9月10日、中国の習近平国家主席と90分の電話会談を行い、「競争が紛争に発展しないことを確実にするため、両国の責任について協議した」とホワイトハウスは発表した。

 この会談は米国が求めたもので、総論としては双方の意見が一致しやすい気候変動問題や感染症対策につき「和やかな雰囲気の中で話し合われた」という。

「台湾問題」や新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒に対する「人権問題」についても協議したと思われるが、ホワイトハウスの発表は、それらの問題には直接、言及せず「利益や価値観、認識の異なる分野については開かれた率直な関与をしていくことで合意した」と、詳細は後日に回している。

 バイデン氏は、これまでも「対中政策の目的は対決ではない。競争だ」と語っており、米中が「競争が紛争に発展しないことを確実にする責任」で合意し、武力衝突を回避する姿勢を宣言した点で、風向きの変化の兆候とも思える。

 ところがその5日後には新たな展開が待っていた。