警官からフェイスブックの調査員に転身したスタッフが今年1月、社内掲示版に全従業員に宛てたメモを投稿した。それは「皆さん、新年明けましておめでとう!」というあいさつで始まり、続いてそのスタッフが「発見事項」と呼ぶ新情報が詳しくつづられていた。中でも最大の発見は、メキシコの麻薬組織(カルテル)がフェイスブックを使用して殺し屋を勧誘・訓練し、彼らに報酬を支払っていたことだった。これは衝撃的な事実であり、フェイスブックの規約に明らかに違反していた。しかし、同社はカルテルがフェイスブックや傘下の写真共有サイト「インスタグラム」を利用することを禁じなかった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認したフェイスブックの多数の社内文書によると、既にユーザー基盤が巨大で拡大している一部の発展途上国で同社のプラットフォームがどう利用されているかについて、複数の従業員が警鐘を鳴らしていた。同社が多くの場合、対応が不十分だったか、何もせず放置していたことも文書は示している。