アマゾン南ア本社、予定地は先住民の「聖地」アマゾンが地域本社の入居を予定している複合施設「ザ・リバークラブ」は、先住民グループが「聖地であり、世界遺産に登録すべきだ」と主張する土地で開発されている(17日) Photographs by Samantha Reinders for The Wall Street Journal

【ケープタウン(南アフリカ)】米小売り巨大企業のアマゾン・ドット・コムがまたしても、地域本社の設立を目指す中で政治的な論争に巻き込まれている。今回は、南アフリカのケープタウンが舞台だ。

 アマゾンは2年以上前、ニューヨーク市に本社を設置するという25億ドル(現在のレートで約2760億円)規模の計画を、政治的な反発を受けて断念した。今回は南アの先住民グループが「聖地であり、世界遺産に登録すべきだ」と主張する土地と川を巡り、対立が起こっている。3億5000万ドル近くを投じて建設される複合施設「ザ・リバークラブ」は、アマゾンがテナントとして参加する予定で、オフィス、住宅、ランニングやサイクリングのコース、約20エーカー(約8万平方メートル)の緑地公園などが含まれる。同地は20年以上前から、ケープタウンのシンボルであるテーブルマウンテンのふもとに9ホールのゴルフコースを備えた会員制クラブだった。それが現在、建築現場となっている。