経営危機に陥っている中国・深圳の複合企業、中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)は、同国経済の縮図だ。恒大も中国経済全体も、建設のための借り入れは有益だという基本理念に基づいて過去数十年動いてきた。恒大が建設してきたのは主に住宅だが、中国全体では集合住宅だけでなく道路や鉄道、空港などのインフラもそうだ。恒大は資金繰りに行き詰まった。主な原因は政府の政策転換だった。投資家は、恒大の債券だけでなく、経営が不安定な他の不動産開発業者の債券価格が暴落するのを見て恐怖を感じてきた。中国の経済モデルは進むべき道がなくなっており、新たな進路を定めようとする過程で、恒大と同様の失敗が増える可能性が大きい。