ロシアからドイツへ天然ガスを運ぶ新パイプライン「ノルドストリーム2」を巡り、タカ派の外交関係者らは、欧州に対するロシアの影響力が強まると懸念していた。パイプライン完工から1週間がたった今、そうした懸念が解消される兆しはほとんど見えない。欧州ではガスのスポット価格が過去最高値を更新し、在庫も不安なほど少なくなっている。寒い冬を控え、暖房などに必要な液化天然ガス(LNG)の確保に向けてアジアとの競い合いが避けられないとの懸念が高まり、ロシアからの供給に期待の目が向けられている。ロシア国営ガス会社のガスプロムは欧州にとって最大の天然ガス供給元だ。国際エネルギー機関(IEA)は21日、欧州のガス不足を解消するためにロシア政府はもっとできることがあるとし、「ロシアが欧州市場への頼れる供給者としての信用を裏付ける機会だ」と述べた。
ロシアが支配する欧州ガス市場、影響力さらに増大
欧州規制当局は「ノルドストリーム2」の迅速な承認を迫られる可能性
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