ベルギーには「おなかにレンガを抱えて生まれてくる(国民はいずれ自分の家を持ちたいという願望)」とのことわざがある。だが中国では、結婚、将来への備え、経済全体、そして国家財政にとっても、住宅がはるかに根本的な存在であることは間違いない。中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)――約3000億ドル(約33兆円)の負債を抱える住宅建設大手の一角――が経営危機に陥る中、中国の経済、あるいは金融システムも崩壊しかねないとの疑念が強まっている。その答えは当面、明らかにならないかもしれない。だが、歴史に目を向けることで、何を模索すべきかを理解する一助となるだろう。以下、過去およそ5年に発生した中国の債務危機とそれがどう解決されたかについて振り返る。