中国の習近平国家主席の民間企業に対する締め付けは、見た目よりもはるかに野心的な取り組みであることが、一段と明らかになりつつある。習氏は、IT(情報技術)企業など大手数社を抑圧し、誰が中国のボスであるかを示そうとしているだけではない。中国が数十年かけて進めてきた西洋式資本主義への進化を巻き戻し、同国に全く別の道を歩ませようとしている。習氏の著作や中国共産党幹部との議論内容を詳しく調べ、政策決定に携わる複数の人物に取材した結果、明らかになった。鄧小平が中国で初めて経済改革に踏み切ってから40年、共産党の指導者たちは概して、市場原理が繁栄する余地を広げてきた。それは何億人もの人々を貧困から脱却させ、何兆ドルもの富を生み出すことになった一方で、腐敗のまん延を招き、共産党の支配を継続させてきたイデオロギー的な基盤が損なわれることにもなった。
習氏の資本主義締め付け、毛沢東思想への回帰
共産党が資金の流れをかじ取りし、金もうけの手綱引き締めを目指す
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