角砂糖は1個あたり約4グラムなので、換算するとレッドブル1本には約7個分の角砂糖が含まれていることがわかりました。また、砂糖入り缶コーヒーにはおよそ2~3個分の角砂糖が含まれています。

 砂糖には「薬物中毒に似た依存性がある」という研究もあります(※1)。無意識のうちに習慣化してしまうケースが多いです。

7つの怖い病気とは?

 糖質をたっぷり含んだ液体を毎日のように飲む習慣がついていたら糖尿病のリスクが上がるのは自明の理。研究でも証明されています(※2)

 そして砂糖には、

 ①糖尿病になりやすくなる
 ②肥満になりやすくなる
 ③心筋梗塞のリスクを上げる
 ④虫歯になりやすくなる
 ⑤がんのリスクを上げる
 ⑥認知症のリスクを上げる
 ⑦脂肪肝になりやすくなる

 こうしたデメリットがあり、健康面だけを切りとれば百害あって一利なしです(※3)

エナジードリンクの上手な飲み方

 もちろん「エナジードリンクや砂糖入り缶コーヒーを絶対に飲むな」という話ではありません。エナジードリンクを飲むことで集中力や記憶力のアップにつながったという研究結果もあります(※4)

 重要なイベントの前やたまのご褒美に飲むのは問題ないでしょう。砂糖入りの缶コーヒーやエナジードリンクは毎日ではなく「ここぞというときに飲む飲み物」だと認識を改め、飲む頻度を調整してください。

 エナジードリンク等の力を借りてがんばり続けることは、いわば「健康の前借り」です。

 あなたの長い人生を考えると決して賢い選択とは言えず、後々しっぺ返しをくうことになるでしょう。一度失った健康を取り戻すのは、容易なことではありません。身近な人にぜひ教えてあげてください。

(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)

【出典】
※1 James J DiNicolantonio,et al. Sugar addiction: is it real? A narrative review. Br J Sports Med. 2018 Jul;52(14):910 913.

※2 Vasanti S Malik,et al. Sugar sweetened beverages and risk of metabolic syndrome and t ype 2 diabetes: a meta analysis. Diabetes Care. 2010 Nov;33(11):2477 83.

※3 Lawrence de Koning,et al. Sweetened beverage consumption, incident coronary heart disease, and biomarkers of risk in men. Circulation. 2012 Apr 10;125(14):1735 41,S1.

※4 C Alford,et al. The effects of red bull energy drink on human performance and mood. Amino Acids. 2001;21(2):139 50.