スプリングヒル・メディカル・センター(7月)スプリングヒル・メディカル・センター(7月) PHOTO: NICOLE CRAINE FOR THE WALL STREET JOURNAL

 テイラニ・キッドさんが2019年7月16日に米アラバマ州のスプリングヒル・メディカル・センターに足を踏み入れた際、その病院がランサムウエア(身代金要求型ウイルス)による攻撃の真っただ中にあるとは思いも寄らなかった。

 そこでは約8日間、全フロアでコンピューターが使えなくなっていた。院内の医療スタッフの位置を特定するリアルタイムの無線追跡装置は停止し、患者の医療記録にもアクセスできなかった。また、陣痛・分娩(ぶんべん)棟のナースステーションでは、12の分娩室にある胎児の心拍を監視する機器を医療スタッフが見られなくなっていた。