人の心に火をつける“場”づくりに挑む
会社と社員は、選び、選ばれる対等の関係

「個」を活かす組織とラーニングデザイン

思想に基づいて“場”を設計する
それがCHROの究極の役割

人の心に火をつける“場”づくりに挑む会社と社員は、選び、選ばれる対等の関係

岩井 : 地域軸ではなく、地域を超えた事業軸で人材マネジメントを行うことで、事業部門が互いのベストプラクティスを共有することも可能になりますね。

 最後に、安部さんが考える「CHROの果たすべき役割」についてお聞かせいただけますか。

安部 : 突き詰めれば、互いに選び合った会社と社員が、高いエンゲージメントを維持する関係をつくり続けることではないかと思っています。制度設計や、採用・育成、人材価値と財務価値のひも付けなど、やるべきことはいくつもありますが、何よりも大切なのは、社員の成長と会社の成長を連鎖させ続けられる環境をつくることです。

 大学で建築を専攻された、ある企業の人事担当役員の方が、「CHROは建築家に似ている。主体は社員であり、マネジメント。CHROは、彼ら彼女らが伸び伸びと、期待通りに活躍できるよう、望ましい企業風土、必要な環境や制度を整え、それを支える文化の骨格となるアーキテクチャーを設計し、構築することだ」とおっしゃっていましたが、まったくその通りだと思います。

 CEOと一緒にそうした文化や環境をつくり続けることが、CHROの究極の役割だろうと考えます。

下村 : ここ2〜3年、企業と人の関わり方が大きく変わってきているように感じます。いままでは雇用契約によるつながりが主体でしたが、成長機会について選択肢を提供してくれるかどうか、会社を通じ社会課題の解決に取り組んでいけるかどうか、といった要素がより重視されるようになっています。その意味でも、人材マネジメントに変革が求められています。

安部 : 高い意識や挑戦心、主体性を持った人材が自然と集まってくる。そんな場として認知される企業であり続けるようにすることもCHROの重要な役割でしょうね。若い人たちの心にいかに火をつけるか。その責任を果たすためにも、魅力ある場づくりに取り組んでいきたいと思います。

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