欧州連合(EU)は長年、多額の資金を投じてバルカン諸国の加盟準備を進めてきた。米国も政情不安や散発的な衝突が続く同地域に安定をもたらすとの期待から、EU加盟を後押ししてきた。だが、EU首脳が6日、これら候補国の首脳らと会談した席で、加盟交渉は合意に近づくどころか、さらに遠ざかってしまったというのが現実だ。欧州では西バルカン諸国のEU加盟交渉がとん挫すれば、同地域と歴史的あるいは経済的に利害関係にあるロシアや中国といったライバルや敵対国が影響力を強めるとの懸念がくすぶっており、バイデン政権関係者も警戒している。ホワイトハウスによると、ジョー・バイデン米大統領は4日、ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長と電話会談し、「同地域の国々との加盟手続きを継続することに強い支持を伝えた」という。