ダイヤモンド決算報#広告Photo:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はサイバーエージェント、電通グループ、博報堂DYホールディングスの「広告」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

サイバーエージェントは
前年同期比70%超の増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の広告業界3社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・サイバーエージェント
 増収率:70.3%(四半期の売上高1922億円)
・電通グループ
 増収率:18.2%(四半期の収益2439億円)
・博報堂DYホールディングス
 増収率:22.3%(四半期の売上高1724億円)

 広告業界3社の四半期増収率(前年同期比)は、全てプラスとなった。3社とも増収率は2桁となっており、特にサイバーエージェントは70%台という高い増収率を記録している。

 そろって大幅増収となった広告業界3社だが、その数字の背景を見ると、増収率の面では大きな差が開いていることが分かる。次ページからはデータとともにその「差」を紹介する。