コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はソニーグループ、パナソニック、シャープの「総合電機」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
パナソニック3割弱増収
総合電機メーカーの明暗
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の総合電機業界3社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・ソニーグループ
増収率:15.0%(四半期の売上高及び金融ビジネス収入2兆2568億円)
・パナソニック
増収率:28.8%(四半期の売上高1兆7924億円)
・シャープ
増収率:18.9%(四半期の売上高6116億円)
総合電機3社の四半期増収率(前年同期比)は、3社ともプラスだった。特にパナソニックは3割弱の高い増収率を記録している。
しかし、これらの数字の背景をひも解くと、売り上げの面で総合電機メーカーの明暗は分かれたといえる。どういうことなのか。次ページ以降で詳しく解説する。