米国境管理当局者や援助関係者によると、難民申請のため米国に不法入国する中南米の人々の中で、ミドルクラス(中産階級)だった人の数が増えている。彼らは国境まで空路で移動してくる。メキシコ経由で米国への不法入国を目指す人々の大半は、貧困状態や犯罪の危険から逃れてきた世界でも最貧の人々だ。その中には、テキサス州デルリオに押し寄せて仮設キャンプを形成した何千人ものハイチ人も含まれる。しかし中間所得層だった移民希望者も増加している。これは、ブラジル、ベネズエラなどの国々で、新型コロナウイルス感染拡大と、それに伴う経済の悪化や政治の不安定化による苦境が続いていることを反映している。米政府はこうした移民の国境への移動手段や経済状況について追跡調査を行っていない。しかし、米国境警備隊のユマ地区責任者を務めるクリス・T・クレム氏によれば、隊員らは、米国と国境を接するメキシコの町まで最近旅客機で移動してきたと話す人々をほぼ毎日のように拘束している。