――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
欧州の記録的なガス高騰は、域内のインフレ率に驚くほど限定的な影響しか与えていない。だが、将来的には影響はより顕著になるかもしれない。
UBSの分析では、欧州スポット(随時契約)市場のガス卸売価格は今年に入り、ほぼ3倍に値上がりしたが、一般世帯向けの平均小売価格は約9%の上昇にとどまっている。同行のエコノミスト、アナ・ティタレバ氏は、ガス値上がりが域内インフレ率を推定0.4ポイント程度押し上げているとみている。これに対し、石油価格は50%値上がりと、上昇幅はガスを下回るものの、インフレ率の押し上げ効果は0.6ポイントだ。