中国の習近平国家主席は新型コロナウイルスが猛威を振るい始めると、世界でも極めて厳格な国境封鎖に乗り出し、自身もそれ以降、国外には一歩も外に出ていない。国際社会で習氏のイメージは悪化しつつあるが、それでも世界を股にかけた従来の外交戦略を近く再開する気配は見られない。足元では、世界の多くの首脳がコロナ感染対策のバブルから抜け出し、再び外遊を開始した。だが、習氏は外国首脳とのやり取りを動画や電話を通じた会談に限っている。中国政府はこれまで、来週イタリア・ローマで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議やその数日後に英グラスゴーで開催される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に習氏が欠席するのか、正式に明らかにしていない。しかしながら、バーチャル以外での参加はないとほぼ確実視されている。
習氏がやめないバーチャル外交、その意図と代償
かつて世界を股にかけていた習氏、コロナ以降は2年近く国内に
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