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戦後最大のエネルギー危機に直面するいま、企業は守りに徹するべきか、それとも変革に踏み出すべきか――。こうした問いに対し、19世紀の石油王・ロックフェラーの思考は示唆に富んでいる。彼から学べる現代の危機を突破するための考え方とは何なのか。(イトモス研究所所長 小倉健一)
石油王・ロックフェラーの逆境に対する独自の視点
中東情勢の悪化により世界経済は激動の渦中にある。
2026年2月28日の米・イスラエルによるイラン攻撃以降、イランがホルムズ海峡を実質閉鎖。さらに米国が対抗封鎖を実施した結果、原油輸送が大幅に制限されている。日本国内でもエネルギー価格の上昇が続き、製造業のコスト圧力が増大している。
しかし過去の歴史を振り返ると、大規模な経済危機は常に産業構造を変え、新たな仕組みを生み出す原動力となってきた。平穏な日々の中では見過ごされがちな問題点が、危機の時代にはくっきりと浮かび上がる。
「あらゆる災難を機会に変えようと常に努力せよ」
アメリカの石油産業で頂点を極めたジョン・D・ロックフェラーの言葉として広く知られる。厳密に言えば、1909年の自伝に全く同じ一文は見当たらない。
後年の伝記やビジネス書の中で、彼の危機対応を象徴的に表現した言葉として広まったものと考えられる。
とはいえ、実際に歴史的危機を乗り越えて“巨大な帝国”を築き上げた生き様を見れば、まぎれもなく本人を表す言葉として適切に感じる。







