大阪に本社を置く企業で
危険水域にあるのは56社
新型コロナウイルスの感染拡大により多くの企業が打撃を受け、倒産事情は激変している。経営リスクの高い企業を見分ける手引きとなるのが、公開情報から算出した「倒産危険度(Zスコア)」だ。
米国の経済学者、エドワード・アルトマン氏が1968年に考案したもので、短期的な資金繰りの圧迫度や負債の負担度合い、売り上げや利益を生み出す効率性など、五つの指標の合計値により算出される。
そこでダイヤモンド編集部では、特集『廃業急増!倒産危険度ランキング2021』において上場企業3787社の「倒産危険度(Zスコア)」を総点検した。すると、493社が“危険水域”と判定された。
集計対象は7月20日時点での銀行、証券、保険、その他金融を除いた上場企業。数値も7月20日時点で集計したものだ。また、今年度のランキング対象決算期は2020年5月期~21年4月期、前年度の対象決算期は19年5月期~20年4月期とした。
同特集では、倒産危険度の高さ(Zスコアの低さ)でランキングを作成したが、今回は対象企業の本社所在地(一部企業は登記上の本社と異なる)によって分けた派生版の「地域別倒産危険度ランキング」をお届けする。
なお、倒産危険度を示す「Zスコア」は公開情報を基に倒産リスクを数値化したものであり、2.99を上回っていれば倒産の可能性なし、1.81~2.99は倒産の懸念を否定できない、1.81以下は危険水域とされる。
ただし、Zスコアが危険水域にあるからといって、必ず倒産するわけではない。あくまで参考資料として見ていただきたい。
また、電力や不動産、鉄道会社といった、業種の特性上、他業種に比べ有利子負債が大きくなりやすく、総資産が膨らむ傾向にある業種の場合は、スコアは低めに出やすい。歴史の浅い企業は、利益の蓄積が少ない分、内部留保を反映する指標が低くなる。そうした特性を考慮に入れて、ランクインした企業の顔触れを見てほしい。
今回ランキングしたのは大阪に本社を置く企業だ。Zスコアが1.81以下の企業は56社となった。
さっそくランキングを見ていこう。