米製薬大手メルクは新型コロナウイルス感染症治療に有望な経口薬を国連の後援するNPO(非営利組織)「医薬品特許プール(MPP)」にライセンス供与し、低・中所得国への供給を増やす計画だ。MPPは開発途上国の医薬品へのアクセス拡大を目指す団体。MPPとメルクは27日、複数の医薬品メーカーと協力してパキスタン、カンボジア、アフリカ諸国など105カ国に経口治療薬「モルヌピラビル」を提供する計画を明らかにした。MPPによると、このライセンス契約の下での生産量は不明。一部メーカーは年内に出荷を開始できる見込みだ。メルクは、米リッジバック・バイオセラピューティクスと共同開発したモルヌピラビルを年末までに1000万回分製造できるとしている。来年は生産能力を拡大する予定だ。