米国は目下、労働力不足、旺盛な財需要、そしてインフレ加速への対応に追われている。一方で、中国は電力不足や消費低迷に加え、不動産セクターの急激な落ち込みと闘っている。こうした状況は、投資家の目には極めて有害な環境に映るかもしれないが、大きな明るい材料が一つある。バイデン・習の両政権が少なくとも当面は米中の相互依存を無視できないという点だ。そのため、過去3年間に世界の投資環境を冷え込ませ、米中対立がさらに深刻化するとの懸念を高めてきた悪循環に、少なくとももうしばらく歯止めがかかるかもしれない。ここ数週間、小さいながらも雪解けの兆しがはっきりと見て取れるようになった。カナダで拘束されていた華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)と、中国で拘束されていたカナダ人の「2人のマイケル」のほぼ同時の釈放、バイデン政権による新たな対中関税の発動見送り、そしてバイデン・習両氏によるバーチャル首脳会談の発表だ。
米中の経済苦境、対立雪解け効果も
バイデン・習の両政権は当面、米中の相互依存を無視できない
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