11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を終えた後も、一部のトレーダーは高インフレが長期化するとの見方を変えていない。それは、債券市場と米連邦準備制度理事会(FRB)との間に存在する大きな溝を浮き彫りにしている。ジェローム・パウエルFRB議長は会見で来年6月までに債券購入を終える方針を明らかにしたものの、利上げはさほど急がない姿勢を示したことから、米主要株価指数は最高値を更新した。パウエル氏はまた、企業が生産を拡大し、サプライチェーン(供給網)の混乱が和らげば、インフレ率は来年4-6月期か7-9月期までに鈍化するとの見方を改めて示した。だが投資家の間では、高インフレが続けばFRBは2022年に数回の利上げを余儀なくされかねないとの見方がくすぶる。利上げ観測に連動しやすい2年物米国債の利回りは、足元で0.5%近辺と、20年3月以来の高水準にある。