株式投資をする人にぜひ読んで欲しい1冊が『株トレ——世界一楽しい「一問一答」株の教科書』だ。クイズを解きながら「株のトレードで勝つ技術」を身につける画期的な1冊だ。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。何万回にも及ぶ膨大な数のトレードから確立した「トレードで勝つ技術」を1冊に凝縮した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。

株トレPhoto: Adobe Stock

人気の成長株で何回も損する人がいる

 小型成長株には値動きが荒く売買タイミングが難しいものが多数あります。

 特に人気株は、急騰急落を繰り返すので要注意です。

 次のチャートは、私が過去に売買してきた小型成長株の典型的な株価変動パターンを描いたチャートです。

 黎明期・急成長期・成熟期の3つのステージがそれぞれ5年続く成長企業をイメージしています。

あなたの株式投資がうまくいかないたった1つの理由

・(1)黎明期:利益は出ないが、将来、大きな夢がある時期です。
・(2)急成長期:売上高と利益が大きく伸びる時期です。
・(3)成熟期:最高益の更新は続くものの、年率5%程度しか増益しなくなります。

 この株を、黎明期の安値(500~600円)で買い、急成長期の高値(5000~6000円)まで持てば、その時点でテンバガー(10倍株)達成です。

 また、急成長期の高値で売りそこなって長期保有となっても、黎明期の安値で買っていれば、かなりの株価上昇を享受していることに変わりはありません。

 ただし、この夢のような成長株であっても、チャ-トも見ずに他人の推奨だけを鵜呑みにして投資すると、大損することがあります。

 というのは、いわゆる株式評論家がこの株を「すばらしい」と勧めるのは、チャートの中で、星印(★)をつけたタイミングが多いからです(本当です)。

 いい話がいっぱいあって、株式市場で人気沸騰して、株価が大きく上昇した高値で買ってしまうと、チャートの矢印で示した通り、株価があっという間に半値になることもあります。

失敗したら撤退するのみ

 このように、長期的に上昇していく成長株でも投資タイミングが悪いと大きな損失を出すこともあります。

 しかし、チャートを見て、損切りする決断ができれば問題ありません。

 買った途端に暴落するような銘柄は「失敗」が明らかです。

 失敗したら、撤退するだけです。チャートを見て10%くらい下がったところで、売ってしまえば良いのです。

あなたの株式投資がうまくいかないたった1つの理由

株で勝つためにはトレーニングが必要

 失敗したら逃げる。成功したらどんどん攻める。この単純なアクションを迷いなくできることが大切です。

 言うのは簡単でも、実行するのは難しいものです。

 実戦で勝つ力を身につけるには、実際のチャートで投資判断するトレーニングを繰り返す必要があります。

 株の取引をシミュレーションするつもりで、クイズに挑戦してください。

 クイズを繰り返し解くことによって、私がファンドマネジャー時代にやってきた何万回ものトレードを疑似体験できます。

(本稿は、『株トレ——世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)