株式投資をする人にぜひ読んで欲しい1冊が『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』だ。クイズを解きながら「株のトレードで勝つ技術」を身につける画期的な1冊だ。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。何万回にも及ぶ膨大な数のトレードから確立した「トレードで勝つ技術」を1冊に凝縮した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。
株で稼ぎたいなら「チャート」を見よ
小型成長(グロース)株でテンバガー(10倍株)を狙うならば、チャートを見る必要があります。
チャートを見るとは、失敗した時に速やかに損切りできる準備をしておくということです。
これは、私が日本株ファンドマネジャーとして、過去25年に渡って数々の小型成長株に投資してきた時に鉄則として肝に銘じてきたことです。
小型成長株を安いところで買ってうまく上昇気流に乗れば、あっというまに株価が2倍になることはよくあります。
買った銘柄がすぐ急騰すれば痛快です。
しかし、その逆もあります。
みなが熱狂する小型株を買った途端に悪材料が出て急落、あれよあれよという間に半値、ということもあります。
成長株で稼ぐ人と大損する人の差
小型成長株で稼ぐ人と大損する人を分けるのは何でしょう? 銘柄選択力でしょうか?
確かに、銘柄選択力も大切です。でも、それよりもっと重要なことがあります。
「チャート」を見る力と、失敗した時にすばやく損切りする「決断力」です。
もし、あなたがビルの階段を上っている時、上からたくさんの人々が恐怖の表情を浮かべて階段をかけ下りてきたらどうしますか?
なんだかわからないけれど、何かの危険が迫っていると考えて、とりあえず一緒に階段を駆け下りるのではないでしょうか。
チャートを見てすばやく損切りするというのは、そういうことです。
決断できない人ほど損が膨らんでいく
「成長ストーリーが終わった」と誰が見ても明らかなチャートが表れた時は、「三十六計逃げるにしかず」。
利益確定、損切りにかかわらず速やかに売る必要があります。
迷っていると損が大きくなります。すぐに動くことが必要です。
大切なのはきちんとチャートを見ること、そして、危険だと思ったら益出しでも損切りでも関係なく、売る決断をすることです。
「チャートの見方がわからない」と心配する必要はありません。ごく簡単なポイントだけ押さえておけば、複雑なテクニカル指標などまったく見なくても「売り判断」はできます。
(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)