現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語った『1%の努力』は、34万部を超えるベストセラーになっている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「最短の答え」は正しくないかもしれない
相変わらず、僕の元には「何をすればいいですか?」という質問がよくきます。アドバイスしたことを素直に実行する人もいれば、聞くだけで満足する人もいるでしょう。まあ、僕はどちらでもよいと思っているので、できるだけロジカルな答えだけをするようにしています。
社会人に対しての質問であれば、明確に「お金を稼ぐこと」とか「結果を出すこと」とかのゴールがあります。
そのゴールに向けた最短ルートになる答えを出せばいいので、とても簡単です。
しかし、10代からの質問に答えるのは、少し異なってきます。なぜなら、何が役に立つのか、どんな可能性があるのか、無駄と思っているものが実は重要になってくるとか……。というように、最短ルートの答えが必ずしも正しくない場合があるからです。
何がメリットか、何がデメリットか
ということで、僕が考えるのは、「そのときにしかできないことを考える」ということです。
小学校のときにお受験をして私立の有名小学校に入ったとしましょう。そこからエスカレーター式に大学まで行けて、パッと見は勝ち組のように見えます。
しかし、いろいろなデメリットもあります。
たとえば、地元の友達ができにくくなります。地元には、優秀なやつもいれば、クソ野郎みたいなやつもいます。まったく勉強をせずどうしようもないけど、なぜかゲームや遊びには詳しいやつもいます。複雑な家庭の事情を抱えたやつもいれば、子だくさんで貧乏なやつもいます。
そういった「社会が丸ごと見える」ということは、じつは大人になってから大きなメリットになります。大人になってから知識を得るより、幼少の頃に実際に見ていたほうがリアルに感じ取れますからね。
というように、子どもの頃の「何が重要で、何が重要じゃないか」は、1つの尺度では測れないのです。
20歳になるまでにできること
20歳になるまでにしかできないことは、「損得を抜きにした友人関係を作ること」です。
「こいつ、クソ野郎だな」と思いながらも「だけど、なんか面白そうかも……」と感じるようなやつが、どんなクラスにもいると思います。
そういうやつとは、一生の友達になる可能性が高いんですよね。なぜなら、自分にはない「魅力」を持った人だからです。
社会に出ると、よくも悪くも、自分と似たタイプの人に囲まれます。同じような職種の仕事をして、同じような収入を稼ぎ、同じような趣味を持ったりします。属性にバラツキがなくなってしまうんですよね。
そんな中で、「何の共通点もないのに、なぜか惹かれるような人」に出会うのは、20歳までがほとんどでしょう。20歳以降も、出会うことは出会うのですが、そこからわざわざ仲良くなったり付き合いをはじめるようなことは「労力がかかってしんどいな」と感じてしまい、なかなか進展しません。
ということで、ヘタに周囲を見下したりして一匹オオカミになるより、1人でも面白そうなやつと一緒に時間を過ごすことをやっておいたほうがいいですよ。資格を取るとか、知識を得ることより、何倍も価値があることだと思います。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。