ひろゆきが語る「夢を叶える人の考え方」ベスト1ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語った『1%の努力』は、34万部を超えるベストセラーになっている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「夢」というメッセージ

「夢」というのは寝て見るものだと思っている僕ですが、世の中では「夢は持つものだ」「夢を叶えよう」というメッセージで溢れかえっているので、それについて語ってみようと思います。

 まず、大前提として、僕は夢を持ったことがありません。「ネットで億万長者になりたい」とか「有名人になりたい」とか思ったわけではなく、なんとなく今のポジションになっていっただけです。ジャングルの中で自分が勝てる方法を探っていくうちに、気づいたら高い山に登っていたような感覚かもしれません。

 学校や親から「夢は何?」「将来は何になりたいの?」という質問をされたことがあるでしょう。

 これって、とても残酷なことですよね。だって、99%の子どもは「そんなの知らねーよ」というのが正直な答えだからです。

夢が自分を苦しめるとき

 しかし、徐々に空気を読んだり、人の顔色を見たりしながら、「学校の先生になりたい」「お医者さんになりたい」という夢を語らないといけなくなります。

 そして、次にやるのは自己欺瞞です。

 つまり、「私は学校の先生になるために生まれてきたんだ。そうならないとダメなんだ」と、自分で自分に嘘をつくようになるのです。すべての物事は「先生になるため」にあるのだと勘違いするようになります。

 そうなると、次に、先生になれなかったり、なったはいいけどうまくいかなかったときに、一気に自己否定に振り切ってしまうんですよね。それって、とても不幸なことだと思うんです。

 だからこそ、夢は持たなくていいし、見つかればラッキーだ、という程度で認識しておくのがいいんです。

夢を叶える人の思考法・ベスト1

 そして、大事なことは、「夢に期限を設けること」です。

 夢というからには、「歌手になりたい」「声優になりたい」「お笑い芸人になりたい」など、少数の人しか成功しないものもたくさんあるはずです。そもそも、なかなか叶わないからこそ夢なのでしょうし、全員が全員なれるのであれば夢になりえないのです。

 そういう夢を持ってしまった場合、現実を受け入れる覚悟も引き受けることが大事になります。

「30歳までは諦めない」「15万円稼げなくなったら辞める」など、具体的な目標を設定することが大事です。それがないと、そこから逆算して考えることができないのです。

 30歳に芸人として食べているためには、27歳にはこの舞台に立っておかないといけない、25歳までにはファンが何人くらいいないといけない……、と、具体的に今何をすべきかを考えることができるからです。

 それをやらないのは、「夏休みは40日もあるからそのうち宿題は終わるでしょう」とか「1年も浪人すれば有名大学どこかには受かるでしょう」といった、漠然とした日々を過ごすことになります。こういう思考をする人は、絶対に夢は叶わないことは事実ですから。

 ということで、夢を叶えたい人は、必ず現実的な目標を一緒に考えるようにしてみてください。今、芸能とかSNSで第一線で活躍している人は、そういう現実を受け入れながら、今のポジションを手にしています。そのことを忘れないようにしましょう。 

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。