現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
29万部の大ヒットを記録しているベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「どうしたら幸せになれる?」の矛盾
「どうしたら幸せになれますか?」という質問がよく僕のところに届きます。こういう質問をする人は、根本的な考え方が間違っています。そのことについて、説明しましょう。
幸せの基準は、自分で決めることができます。なぜなら、世の中には無数の選択肢があるからです。たとえば、お昼ご飯を食べるとしましょう。冷蔵庫にあるものから自分で作るのか、近くの飲食店で食べるのか、コンビニで買ってきたものを食べるのか。無数の選択肢があります。
このとき、どの選択肢を選べば幸せになるかは、その人によります。冷蔵庫の豚肉をどうしても使い切りたいのか、近くのお店のカレーがどうしても食べたいのか、コンビニの新発売のスイーツを絶対に食べてみたいのか。
それらは、どれも正解です。そして、他の誰かが決めることではありません。自分がどうしても食べたいカレーを食べているのに、「自炊すべきだ」と言われる筋合いなどないのです。つまり、自分の幸せの基準は、自分で決めるしかありません。
幸せの基準は「他人」?
世の中、「他人が欲しがるもの」を手に入れることで満足する人がいます。車や時計、服、アクセサリーなど、他人が欲しがる(と思い込んでいる)ものを買うことで幸せを感じるような人です。勘違いした成功者や芸能人に多いタイプですが、一般の人でも大なり小なり同じ部分があるでしょう。
そういう幸せは、価値の基準が「他人」にあります。他人がどう思うかに自分がコントロールされているのです。
これは、カマキリが寄生虫のハリガネムシに意思をコントロールされているようなものです。自分で決めているようで、本当は別の何者かに支配されているのです。
親子の「夢」は美しいけれど……
あるいは、親が果たせなかった夢を追いかけるような子どもも同じです。スポーツ選手に多いのですが、親が諦めた夢を、子どもへと受け継いでもらってサポートするような関係です。これは、傍目から見ると、キレイなことに見えますが、危険をはらんでいます。
一歩間違えると、子どもは親に大きく反発して、親子関係が最悪の状態になることもあります。もしくは、子どもが親の夢を果たせたとしても、その後、自分の心の中でポッカリと穴が空いてしまいます。いわゆる「燃え尽き症候群」というやつです。
元々の動機が、自分ではなく「他人」にあるのですから、それが失われると、一気に何をしていいかがわからなくなるのです。
同じようなことは、他の場面でもよく見かけます。「合コンでモテるために有名企業に入ったのに……」「年収1000万円になれたら、今度は年収2000万円の人に対して劣等感がある……」など、幸せの基準が「他人」にある人たちは、いつまで経っても満たされないままでいるのです。
だから、自分にとって必要なものを手に入れる人になりましょう。貧乏でも賢い子がいるし、小さい企業でも優秀な人はいる。どんな環境でも、自分にとって大事なものが何かさえ見失わないようにすれば、いつでもどこでも幸せに暮らすことができます。
そして、自分が幸せに生きているのに「もっとこうしたほうがいいよ」と他人からアドバイスされるようなことは聞かなくていいのです。
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本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。