入社3年目のこと。40歳をちょっと過ぎるまでに株式投資で生涯賃金2億円を稼ぐことを決意した。でも、投資はまったくの素人だった。そこで、サラリーマンとして忙しく働きながら、株式投資の入門書を買って勉強するところから始めた。最初は短期売買を繰り返して失敗したが、より落ち着いて取引できる中長期投資に方向転換したところ、“勝ちパターン”が見つかった。どんどん資産を増やし、当初の計画前倒しで資産2億円達成!『10万円から始める! 割安成長株で2億円』の著者・弐億貯男が、すべての会社員におすすめの投資スタイルを手取り足取り伝授する。

【弐億貯男の株式投資で2億円】<br />私がIPO投資でおすすめの証券会社Photo: Adobe Stock

IPOブックビルディングの
3つの抽選方式

IPOのブックビルディングには、以下の3つの抽選方式があります。

1「完全平等制」
完全平等制は、投資家1人あたり1口で機械的に抽選をします。
そのため、投資家が当選する確率は平等になります。
2「ステージ優遇制」
ステージ優遇制は、預かり資産残高などに応じて設定されたステージで当選確率が変化します。
たとえば、SMBC日興証券では、
①抽選票数1票のブロンズ
(新規口座開設3ヵ月or 預かり残高250万円以上or 信用取引の建たて玉ぎょく残高250万円以上)
②抽選票数5票のシルバー
(預かり残高1000万円以上or 信用取引の建玉残高1000万円以上)
③抽選票数15票のゴールド
(預かり残高3000万円以上or 信用取引の建玉残高3000万円以上)
④抽選票数25票のプラチナ
(預かり残高5000万円以上or 信用取引の建玉残高5000万円以上)
――という4つのステージがあります。
「信用取引の建玉残高」とは、信用取引の取引約定(売買成立)後に残っている未決済金額のことです。
3「ポイント加算制」
ブックビルディングに申し込んで外れてしまってもポイントを獲得できて、ポイントの多い人から順番に当選します。
ポイントを使って外れてもポイントは戻ってきます。
ポイントに有効期限はなく、無期限で貯められます。

IPOブックビルディングで
おすすめの3つの証券会社

以上を踏まえて、私がおすすめする証券会社を3つ紹介しましょう。

1 マネックス証券(完全平等制)
ブックビルディングの配分を資産や取引状況に関係なく平等に抽選する完全平等制なので、個人投資家に有利です。
「比較.com(現・手間いらず)」のIPOでは、主幹事だったマネックス証券への割り当てが4000株もあったので、口座開設していた多くの投資家が、私と同じように200万円以上の差益を手にしたと思われます。
2 SBI証券(ポイント加算制)
ネット専業証券会社としてダントツ1位の口座数を誇るため、人気が高すぎて、現在はブックビルディングでなかなか当選しない状況が続いています。
しかし、外れるたびに「IPOチャレンジポイント」が加算されるので、そのぶん当選確率が高まります。
3 野村證券(完全平等制)
国内IPOの引受実績で高い占有率であり、オンライン抽選では完全平等制をとっているので、個人投資家に有利です。

私自身、株式投資を始めてしばらく経った2005年頃、IPOブックビルディングへの応募のため、複数の証券会社に口座を開きました。

それはそれで成果を残せたのですが、複数の口座に資金を分散させるのが面倒になり、現在は「SBI証券」と「野村證券」の2口座に集約しています。

SBI証券はIPO銘柄をたくさん扱っており、ブックビルディングに関してポイント加算制で抽選し、公平な配分をしています。

しかし、あえて細かい話をすると、法人顧客にもIPO銘柄を配分しており(配分比率は非公開)、1法人あたりで個人投資家の10倍の株式数を配分しています。

また、SBI証券はネット証券では個人投資家がもっとも多い証券会社であり、SBI証券で当選するのは、残念ながら難しくなってきました。

そのため私は、野村證券のネット口座でもIPOブックビルディングに応募しているのです。

野村證券のIPO銘柄の配分も、機関投資家や各支店の顧客向けに配分したうえで、個人投資家向け配分量の10%以上をネット口座向けに割り当てているようです(実際の配分比率は非公開)。

ネット口座に配分される株式数はSBI証券より少なそうですが、野村證券でネット取引をしている口座数は、SBI証券と比べてかなり少なそうなので、当選確率はSBI証券より高いのではないかと秘かに期待しています。