入社3年目のこと。40歳をちょっと過ぎるまでに株式投資で生涯賃金2億円を稼ぐことを決意した。でも、投資はまったくの素人だった。そこで、サラリーマンとして忙しく働きながら、株式投資の入門書を買って勉強するところから始めた。最初は短期売買を繰り返して失敗したが、より落ち着いて取引できる中長期投資に方向転換したところ、“勝ちパターン”が見つかった。どんどん資産を増やし、当初の計画前倒しで資産2億円達成!『10万円から始める! 割安成長株で2億円』の著者・弐億貯男が、すべての会社員におすすめの投資スタイルを手取り足取り伝授する。
一歩踏み込んだ
銘柄チェックのポイント
「割安成長株」を見つけるためのポイントについてお話ししましたが、その条件にマッチする銘柄のなかでも、とくにおすすめなのは、「IPO(新規上場株)」銘柄への投資です。
IPO銘柄への投資は、さほど時間をかける必要がない“手抜き投資”でありながら、通常の株取引と比較してローリスク&ハイリターン。
大きく儲けられる“宝の山”ともいえます。
私は株式投資を始めてしばらくは、IPO銘柄への投資だけで600万円以上もの利益を上げることができました。
大きな含み益をあげる保有10銘柄の大半もIPO銘柄です。
とはいえ、「そもそもIPOってなに?」「どうやったら投資できるの?」といった基礎的な疑問もあるかと思います。
そこで、まずは基礎の基礎から、IPO銘柄で儲けるためのテクニックをお話しすることにします。
IPOとは(Initial Public Offering)の略称で、日本語で「新規上場株」「新規株式公開」ともいわれます。
創業したばかりの会社は、創業社長などごく少数によって株式が保有されていますが、未上場だと株式市場で取引できないため、一般に株式が出回りません。
売り手と買い手が当事者同士で価格や売買数量を決める「相対取引」しかできないのです。
しかし、会社が順調に業績を伸ばしてIPO(新規株式公開)をすると、その会社の株式は、たとえばJASDAQやマザーズなど上場した証券取引所の市場で取引できるようになり、私たちのような個人投資家でも売買できるようになるわけです。
多くの経営者がIPOを目指しますが、そもそも、なぜIPOするのでしょうか?
もちろん、会社にメリットがあるからですが、それは大きく次の3つがあげられます。
1「資金調達」の幅が広がる
IPOをしていない会社が必要な資金を調達する場合、自己資金がなければ、経営者の個人保証や担保を差し出しての銀行融資に頼らざるを得ません。
銀行は預金者から預かったお金を会社に貸すので、銀行融資は「間接金融」とも呼ばれます。
ところが、IPOをすると株式市場から直接、必要な資金を調達できるようになります。
そのため、株式市場は「直接金融」とも呼ばれます。
上場した会社が資金を必要とするなら、株式を追加発行して、一般投資家や機関投資家、投資ファンドなどに売ることで、株式市場から直接、資金調達ができるのです。
株式を追加発行して、一般投資家などを対象に株主(株式の購入)を募集することを「公募増資」といいます。
2 会社の「信用度」が高まる
IPOにあたっては、証券取引所、IPOを支援・指導する証券会社(幹事証券会社)、監査法人などによって厳しく審査されます。
また、IPO後も定期的に財務や決算の情報開示が義務づけられます。
未上場企業には、そうした厳しいルールはありませんから、結果として上場企業は、取引先や金融機関を始め、広く一般にも信用度が高まります。
そのぶん、人材の新規採用も行いやすくなります。
3 会社の「知名度」が高まる
株式を公開すると、一般投資家がその会社のことを知る機会が増えます。
また、株主優待や配当金の設定によって一般投資家の関心が高まれば、さらなる知名度の向上にもつながり、ビジネスを優位に展開できるようになります。