資本主義の害悪としてギャンブルを禁止してきた社会主義政権下のベネズエラで、10軒以上のカジノが営業を始めた。わずか数年前にはからっぽだった商店の棚には現在、8000ドル(約91万円)の自転車から、チーズケーキファクトリーの冷凍デザートに至るまで各種輸入品がずらりと並んでいる。ベネズエラ経済は過去7年間に80%縮小し、エコノミストらはその状況を、戦争状態の国以外では過去数十年間で最大の経済崩壊と評していた。しかし現在、ベネズエラ経済は底入れした可能性がある。経営コンサルタントやエコノミストらの予測によれば、2021年の国内総生産(GDP)は5~10%程度伸びるとみられており、そうなれば今年は、独裁色の強いニコラス・マドゥロ氏が2013年に大統領に就任して以来、初めて経済が成長した年になる。