新型コロナウイルス感染症の流行は百貨店や専門店に大打撃を与えるとみられていた。ところが、米国の多くの小売店は以前より健全に立ち直っている。百貨店チェーンのメーシーズからアパレル大手のラルフローレンに至るまで、多くの企業で利益が2019年の水準を超えている。数十のチェーン店が破産手続きを通じた再建や赤字店舗の整理を実施し、バランスシートは強化された。企業を苦しめているサプライチェーン(供給網)問題にさえ、明るい一面が伴っている。供給問題は、何十年にもわたって収益を低下させてきた過剰な調達と値引きのサイクルを少なくとも一時的に断ち切るのを促した、と経営陣やアナリストは語っている。メーシーズのジェフ・ジェネット最高経営責任者(CEO)は18日、「当社は何年も過剰な在庫を抱えていた」とし、「コロナ下で、在庫を整理して需要に沿えるようになったことは、今後も継続したい恩恵だ」と述べた。在庫数を減らすことで店舗は雑多な物であふれ返らず、顧客はより良い体験ができ、結果的に値引きなしで販売できるという。
コロナ禍転じて小売りの「グレート・リセット」
商品在庫減らし値引き抑え利益押し上げ可能に
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