世界のサプライチェーン(供給網)の混乱が解消に向かい始めた。しかし、海運・製造・小売り各業界の経営幹部らは、来年まで通常に近い状態には戻らないと予想。新型コロナウイルスの感染拡大が主要な流通ハブに障害をもたらせば、貨物輸送の遅れが続くとの見方を示している。アジアでは、コロナ絡みの工場閉鎖、エネルギー不足、港湾処理能力の制限といった問題が、ここ数週間で緩和されてきた。米国の主要小売企業は、ホリデーシーズン中に必要となる商品の大半の仕入れを既に完了したという。海上輸送料金は記録的な高水準から下落した。しかし、企業幹部やエコノミストらは、欧米の消費者の旺盛な商品購買意欲や、米国の港湾で続く混雑、トラック運転手の不足、高水準の海運料金などが引き続き回復の足かせになると述べている。極端な悪天候やコロナ感染者の急増などが、サプライチェーンを再び目詰まりさせる恐れもある。