「富裕層」に対して、読者の皆さんもさまざまなイメージを持っていると思います。今回は、富裕層はどのようにお金を使うのかについて解説します。長年、富裕層の資産管理を行ってきた筆者が考える、富裕層におけるお金の使い方の共通点とは?(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)
富裕層のお金の使い方
三つの共通点とは?
私は30歳のときに(今はもう日本を撤退してしまいましたが)英系プライベートバンクをきっかけにこの業界に入り2009年に富裕層の資産管理を行うファミリーオフィスを創業し、約20年近くにわたり富裕層のお客様を相手に仕事をさせていただいています。
今回はそうした経験を踏まえ、「富裕層のお金の使い方」をテーマにお話ししたいと思います。富裕層のお金の使い方には、いくつかの共通点があります。その中でも特に面白い、教訓的なものに絞って紹介していきましょう。
ただ、富裕層と一口に言っても、「昔ながらの不動産主体の地主」と、「一般の事業法人の経営者」でもかなり大きく性質が異なります。また、経営者といっても創業社長と2代目では、ずいぶんと異なるように思います。そこで、今回は創業経営者のお金の使い方についてお話ししていきましょう。
まず一番大きな特徴は、本当の富裕層は「一石一鳥となるようなお金の使い方をしない」ということです。富裕層こそ、一石二鳥どころか一石三鳥を狙います。