南アフリカで確認された新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」による感染が急拡大していることを受け、ウイルス学者や保健当局者の間では、ウイルスの変異の多さからとりわけ警戒が強まっている。だが、感染力や毒性に関してはなお多くが謎に包まれたままだ。50余りのオミクロンの変異のうち、一部は感染力を強め、ワクチンの効果を低減させる可能性があるとみられている。だが、変異株の広がりに加え、ワクチンや治療薬への影響を分析するには、なお時間がかかる見通しだ。オミクロンは11月初旬、南アで最初に確認された。その後、南アの感染者は爆発的に伸びている。この他、ボツワナ、香港、イスラエル、欧州でも、オミクロンによる感染が見つかった。ウイルス学者によると、オミクロンが南アで最初に発生したのか、単に同国で最初に見つかっただけなのかは分かっていない。新たな変異株の特定が可能な包括的なゲノムの監視システムが整っている国は少ないためだ。