決算報(食品/嗜好品)Photo:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はJT、明治ホールディングスなどの「食品/嗜好品」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

JT、キッコーマンは
前年同期比1割超の増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の食品/嗜好品業界4社。対象期間は21年7~9月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・JT
 増収率:10.6%(四半期の売上収益6215億円)
・キッコーマン
 増収率:11.4%(四半期の売上収益1249億円)
・味の素
 増収率:4.0%(四半期の売上高2739億円)
・明治ホールディングス
 増収率:3.5%(四半期の売上高2648億円)

※明治ホールディングスは22年3月期第1四半期より収益認識に関する会計方針の変更を行っているため、前年同期の売上高にも同じ基準を適用した際の増収率を表示している。

 食品/嗜好品業界の4社は、いずれも増収となった。特にJT、キッコーマンは前年同期比1割超の大幅増収となっている。

 増収の要因は何だったのか。データを踏まえて、次ページ以降で詳しく解説する。