38万部超のベストセラー『餃子屋と高級フレンチ』シリーズでおなじみの会計士・林總氏の最新刊『たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる! 会計の教室』がダイヤモンド社から発売に。本連載では、同書の中から抜粋して決算書を読み解くために必要な基本の知識をお伝えします。会計のプロ・林教授の問いに対して、教え子の川村カノンとその父親が、決算書の読み解き方について議論を戦わせます。キーワードは利益剰余金、配当、自己株式購入です。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。

常識を超えた決算書は、どこが非常識なのか?Photo: Adobe Stock

カノンと涼之助の答えは?

林教授 X社の決算書について私からの質問は以下の9点です。よく読んで、お2人の考えを発表してもらえませんか。

 「X社の決算書」についての質問

 1. 税引き後当期純利益(595億円)と利益剰余金(669億円)で、金額がほぼ同じなのはなぜ?

 2. 現金を十分稼いでいるのに借入金が多いのはなぜ?

 3. 運転資本(売掛金+商品=530億円)のほとんどは仕入先からの買掛金(558億円)でまかなっている。これはどういうことか?

 4. 有形固定資産や無形固定資産への投資が少ない。これで大丈夫か?

 5. それにもかかわらず営業利益率が半端なく高いのはなぜ?

 6. 借金しているのに支払利息が見当たらないのはなぜ?

 7. 営業キャッシュフローがべらぼうに多い秘密は?

 8. 投資キャッシュフローがプラスの原因は?

 9. 配当と自己株式購入が多い理由は?