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大口の取引先の営業担当が交代、若く優秀な女性営業が後任になった。取引先の部長は一目で彼女を気に入り、セクハラを繰り返すように。二人きりで飲みに連れていき「誘いを断るならもう買わないよ」と脅された……。彼女の上司と社長が取った対応とは?(社会保険労務士 木村政美)

取引先の部長が、後任の営業担当を一目で気に入り……

<甲社概要>
 従業員数300名の機材販売専門商社。
<乙社概要>
 従業員2000名の製造業。

<登場人物>
 A:営業課長、40歳。大学を卒業して甲社に入社後、ずっと営業マンとして勤務。
 B子:営業課員、28歳。仕事の能力が高く、A課長に将来を有望視されている。
 C:乙社資材部長、55歳。乙社全体の資材仕入れの権限を持っている。
 D:甲社の社長、55歳。
 E:甲社の顧問社労士。

 A営業課長(以下「A課長」)は、入社5年目に乙社の営業担当になった。当時の乙社は社員30名の小規模企業であったが、その後破竹の勢いで成長し、今では甲社で最も売り上げが高い得意先企業となった。1年前に昇進したA課長は、部下の指導や会議の出席などで多忙になり、乙社の業務を担当することが難しくなったため、B子を新しい営業担当者にした。

 9月上旬、A課長とB子は乙社を訪れ、担当窓口のC資材部長(以下、「C部長」)に担当者交代のあいさつと、時々はA課長も同行訪問してフォローアップする旨を伝えた。B子を一目見たC部長は、かつての恋人にうり二つの彼女をすぐに気に入り、ウキウキした。

「A課長はもういいから。B子ちゃん、これからよろしくね!」