ひろゆきが呆れる「管理職になりたくない人」が残念な理由ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
著書『1%の努力』では、彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げて思考の原点をマジメに語っているが、この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

若者は「出世」したくない?

 若い人を中心に、「出世したくない」という意見をよく聞きます。

 この背景には、「お金をバリバリ稼ぎたくない」という仕事観の変化や、「偉そうにしたくない」「責任を負いたくない」「競争したくない」という価値観の変化があるのでしょう。

 ただ、ちょっと想像力の欠けた、あまり賢い考え方ではないと思うので、それについて述べてみようと思います。

「偉い人」はラクですよ?

 いちばん大きな勘違いは、「出世したら大変そう」という考えです。

 なんとなく、管理職のほうが仕事量が増えて大変なイメージがあるでしょう。しかし、ちゃんと管理職が機能した会社だと、出世すればするほど仕事量は減るはずです。なぜなら、ラクになる代わりに「責任」が生じるからです。

 経営者や役員レベルになると、日々、汗水を垂らして働くのではなく、「いざ」というときに問題解決の対応をしたり、部下から持ち上がってくる問題の判断をしたり、ときには頭を下げたりするのが大きな役割になります。

 ちなみに僕が会社組織では「経営者」や「取締役」の立場しかやりたがらないのは、「口だけ出して現場のことはすべて任せる」からです。現場のことをいちいち気にするような管理職は、おそらく大変なんでしょう。でも、それは「任せる」というスキルがないだけなんだと思うんですよね。

「図太さ」があるなら、しがみつくのもあり

 そもそも、会社という組織にいる限り、出世や昇進をしないのは「迷惑」な行為だったりもします。なぜなら、現場レベルの仕事は、できるだけ若い人にやってもらいたいからです。

 若い人にどんどん譲り、活躍してもらわないと、下の世代が育たず、中堅や中間管理職が弱くなってしまいます。若手の仕事をベテランが独占している状態なんですよね。

 もし、ベテランになってからも現場から離れたくないのであれば、雇用形態を変えるか、独立してフリーで稼げばいいはずです。そのほうが、責任や給料がそれに見合ったものになるからです。

 会社にはしがみつきたいし、責任あるポジションには付きたくないし、若手にも自分の仕事を譲りたくない……。それって、かなり都合がよくて会社にとっては面倒くさい存在です。まあ、ハッキリと自分が「お荷物ポジション」であることを認めて会社に残り続けることを目的としているのであれば、それでいいと思いますけどね。周りの目を気にしない「図太さ」があるのであれば、おいしいポジションです(笑)。

 とはいえ、会社の体力次第で、雇用を守り続けてくれる時代でもないですからね。出世したくないのであれば、現場レベルの仕事での「優秀さ」は維持しないといけないので、逆に大変だと思いますけどね。それに、もし優秀なのであれば、さっさと出て行って「自分の城」を作ったほうが圧倒的に稼げる時代だと思いますけど、それはやりたくないんですかね……?

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、38万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。