現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
良かれと思った「呪いの言葉」
世の中、さまざまな言葉が飛び交っています。人生をいい方向にする言葉もあれば、悪い方向に導く言葉もあります。
その中でも、特にタチの悪いのが、「良かれと思って言うけど、その人の成長を止めてしまう」という言葉です。
それは本人にとって「呪いの言葉」になるんですよね。なぜなら、自分の頭で判断して行動するときにブレーキをかけてしまうからです。
ということで、どんな言葉が「呪い」になるのか。代表的な1つを見ていきましょう。
みんな何かを諦めている
人生は諦めないことが大事だと言われています。
それって、本当でしょうか。諦めずに勉強をし続けたら、みんな東大に受かるのでしょうか。諦めずに自分磨きを続けたら、みんなジャニーズに入れるのでしょうか。
そんなことはありません。
人生では、何かを続けることと同時に、何かを諦めることが大事です。というより、諦めるほうが重要かもしれません。
よく、スポーツや勉強で頑張り続けた人が成功例として挙げられますが、彼らだって諦めています。
「他のことはすべて諦めて卓球だけに専念した」
「ゲームや漫画を諦めて勉強だけに専念した」
と、諦めることがセットになっています。それなのに、「何をやったか」のほうにばかり目がいってしまうんですよね。
呪いになる言葉とは?
世の中には、向いていないことがあります。というより、向いていないことばかりです。
向いていないことはさっさと諦めて、他のことに目移りするほうが重要です。
しかし、そんな行動を止めてしまう言葉があります。それが、
「やればできる」
という言葉です。
これは、やりたくないことをやり続けさせるために使われる言葉です。そもそも、自分から「やりたいからやっているし、でもちょっとつらい場面もある……。だから、できるまでやろう」と、内発的に出てくるのならいいでしょう。
ただ、他人に向かって「やればできる」と言うのは、非常に残酷な言葉だと思うんです。だって、他に向いていることもあるでしょうし、本人も薄々、やり続けないほうがいいと思っているからです。
だから僕は、「まあ仕方ないから、他のことやれば?」と言います。大きな成功を収める人は、そう言われたところで信念を曲げないでしょうし、成功できない人は本当に他のことに労力を回したほうが絶対にいいからです。
ということで、一部の成功者や無責任な他者からの「やればできる」という言葉は、この世から無くなったほうがいいと思います。本人が勝手に頑張ればいいだけなので。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、38万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。