日本のみなさん、あなたは「奴隷」ですか?ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

あなたは「奴隷」ですか?

 新年、仕事始めの人も多いことでしょう。

 めんどくさいのに出社したり、嫌な仕事で憂鬱になっていないでしょうか。

 そんなあなたに質問です。

「あなたは奴隷ですか?」

 どうでしょう。ちょっと考えてみてください。

あなたは「奴隷」です。

 では、答え合わせです。

 昔、アメリカでは奴隷制度があった時代がありました。そのときの状況と照らし合わせてみましょう。

「私は奴隷ではありません。だって『やりがい』がありますから」

 そう答えた人。残念ですが、アメリカでの奴隷も、「やりがい」は感じていました。

「奴隷」と言われると、ムチで叩かれながら汗水垂らして死にそうに働いている人を想像するかもしれません。しかし、そんなやり方だと人は動かないと思った奴隷主は「優しくする」「対価を与える」ということをやり、モチベーションを上げさせて奴隷をこき使ったんですよね。

 その結果、奴隷主は「ほら、奴隷だって『やりがい』を感じて誇りを持って働いているじゃないか。彼らはいまや奴隷の立場を選んでいる。幸せじゃないか」という考えをするようになりました。

 奴隷の人たちも、「初めは嫌々だったけど、今では居場所も食料もあって『やりがい』を感じている。奴隷主も、いい人だ。だから私は幸せなんだ」と考えるようになりました。

 これって、日本にいて嫌がりながら出勤したり残業をして「やりがい」を感じて働いている人と、どこが違うのでしょう?

 僕には本質的に「同じ」に見えます。ある程度、サボったり自分のペースで働けるような「違い」はあるでしょうが、本質的に、「嫌々働いているけど、まあ、これも悪くない」と思っている点では同じです。

奴隷の幸せ、奴隷じゃない幸せ

 では、奴隷ではない働き方とは、どんな働き方なのでしょうか。

 警察官や介護士、清掃員など、「社会にとって必要な仕事をしている」のであれば、奴隷ではありません。なぜなら、奴隷は「奴隷主や資本家が金儲けするため」に働いているからです。社会貢献ではなく、資本家の利益が優先されていますからね。

 あと、「社会にとってムダだけど、好きだからやっている」というのも奴隷ではないです。YouTuberやメディア企業、娯楽産業のように、社会から消えても誰も困らない仕事があります。それを好きで選んでやっているぶんには、奴隷とは異なる価値観で働いていますからね。

 ということで、嫌々いまの仕事を続けているようなら、それは奴隷と変わらないという話でした。生活費を抑えて、「給料は少ないけど好きな仕事で生きていける」のであれば、それが本当の幸せだと思うんですが、みなさんは「奴隷の幸せ」を選びますか、それとも「奴隷じゃない幸せ」を選びますか?

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、38万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。